犬や猫などの人気の動物を取り上げた番組や、ペットフードのCMなどを見ていると、時々「トップブリーダー」と呼ばれる人たちの存在が出てくる事があります。
トップブリーダーとは呼んでそのまま、トップクラスの実力や人気を誇るブリーダーの事です。ブリーダーについて簡単に復習すると、ブリーダーの主な仕事は血統書がついている犬や猫などを繁殖させる事や、品種改良をうけもったりすることです。
またしつけについても意見を言う立場にあります。かいつまんで言うと動物の繁殖や育てのスペシャリストといったところです。
犬や猫は放っておいても勝手に繁殖するものですが、ペット業界ではいわゆる雑種ではなく、特徴的な性質を示す犬や猫の血筋を守る事が重要視されています。
犬や猫の種類だけでもかなりの数にのぼりますが、それぞれ同じカテゴリーにいながら外見的特徴や性格は違います。
それぞれの特徴を活かし続けるのがブリーダーの役割と言えます。人間の社会でいうと、それぞれの地域の伝統文化を守るようなものです。
さてブリーダーになるために特に資格は必要となるわけではなく、誰でもなることが可能です。しかし単にブリーダーになるのと、幅広い見識を持った優秀な人気ブリーダーになるのとでは意味が違います。
人気のブリーダーになるには当然クライアントからの信頼を得ないといけません。
そして信頼を得るには実績が必要で、実績を残すにはノウハウやスキルが多く求められます。残念なことに動物たちの衛生や健康状態を考えずに無理な繁殖をして遺伝疾患を引き起こす悪徳業者などもいます。
トップブリーダーは決して無理にかけあわせをすることなく、道理にかなった範囲でスキルを駆使し、繁殖を進めます。
数をとにかくこなしていくことが人気のコツなのではなく、健康な血統種を少数ながらも生みだすことのできるブリーダーが、責任感のあるブリーダーです。
ブリーダーとして成功する方法
信頼できてスキルの高いブリーダーになるには、いくつもの要素が関係します。まずは知識です。生き物を扱うため、相当な知識が求められます。
例えば遺伝的な要素について知っておく必要があります。ブリーディングをする時は「インブリーディング」といって近親間で交配をすることがあります。
この場合は血統という観点から行くと血統維持に適した方法ですが、その半面不良形態の遺伝子があった場合に問題が起きてしまう可能性があります。
サイズや奇形などのリスクが皆無ではないので、危険です。せっかく生まれてきた子に問題があってはブリーディングの意味がありません。
掛け合わせに関して多くの経験や知識が求められます。またしつけのノウハウも必要です。生まれてきてすぐに売るわけではないので、取引を円滑にするうえでも良質なペットに育て上げないといけません。
また人間同様病気のリスクもあります。繁殖のための個体を初め、衛生的な環境を保つための手段を講じないといけません。また血統に関連した知識も必要です。
同じ血統の個体で会っても組み合わせると良くないと言われるパターンがあるので注意です。このようにブリーダーにはかなりの知識が求められます。さらにそれに加えて繁殖犬を確保する事、取引先を確保する事、飼い主との個人取引などが関係してきます。
また動物は生き物ですし人間とは違う習性の生活を送りますから、体力的にもタフでないともちません。また何よりも重要なポイントとして動物への愛情や責任感を持っていないといけません。
悪徳業者がはびこっている現在は特にそうです。ブリーダーとして成功するには、とにかく多くの事が求められるので、生半可な気持ちで臨まないようにすることが重要です。
ブリーダー資格取得にかかる費用
ブリーダーになるためには知識が必要と説明しましたが、その知識を習得して証明するのに良いツールがあります。それはブリーダー資格を取得することです。
ブリーダーになるために特定の資格は必要ないとはいえ、資格を取得することで、ブリーダーとして幅広い知識を持っている事が第三者的に認識されます。
ブリーダー資格には色々なものがあります。専門学校に通って学習し、最終的に資格取得をするという過程があります。
また通信講座で自宅学習をして試験を受けるなり卒業課題を提出して取得できるタイプの講座もあります。それぞれにメリットがあります。専門学校に行く場合は、現場での仕事を観察できるので実地教育が受けられます。
また学校ということで講師に直接分からない点を相談することもできるでしょう。しかしデメリットとして費用の高さがあげられます。一概には言えませんが、年間100万円近くかかってしまうこともあります。
それだけお金があればいいですが、難しい人もいるでしょう。専門学校に行く場合は費用がもっと安価になります。専門学校と違ってface to faceの学習とはいきませんが、自宅で学習する気軽さがあります。
費用については、おおよそ10万円以下を想像していればいいでしょう。なお通信講座を受けずに該当試験をそのまま独学で受験することも可能です。
例えば日本生活環境支援協会(JLESA)主催の「犬・猫ペットブリーダー」という資格や、日本インストラクター協会(JIA)主催の「ペット繁殖インストラクター」という資格は、在宅受験での受験が可能で、申込もインターネットで可能です。
両者とも受験費用は1万円なので、独学であれば安価に資格が取得できます。
しかしやはり独学だと限界があります。対応通信講座を受講して体系的に学習する方が確実性が高まりますし、モチベーションも維持出来るようになります。
そのためこれらの資格を取るのであれば通信講座でまず学習してから試験に臨むのをオススメします。ちなみに流設計アーキテクトラーニングという通信スクールの対応講座では、59,800円~79,800円ほどの受講料で先述の2つの資格を両方取得できるようになります。
ブリーダー資格は2カ月で取得できる
ブリーダー資格を取得するのに必要な期間ですが、通信講座であればおよそ半年から1年程度をイメージしておくと良いでしょう。専門学校に通う場合は2年ほど学ぶコースがあります。
時間が無かったり、すでに職場勤めをしているというのであれば、通信講座がより現実的になります。オススメ講座としてはさきほどの諒設計アーキテクトラーニングの講座が挙げられます。
諒設計アーキテクト―ラーニングの講座名は「犬・猫ペットブリーダーW資格取得講座」ですが、先述の通り、Wで資格取得の勉強ができるのが特徴です。この講座の良いところは、学習期間が最短で2カ月ほどで終わるということです。努力次第でこれだけの短期間で2つの資格が取れるため、モチベーションが維持しやすいというメリットがあります。
仮に時間が取れなくて勉強の時間がたくさん確保できないという場合でも、1日数十分の学習で半年ほど頑張ることで修了可能です。この講座はその道のプロが監修した講座で、内容は初心者にも対応しています。
あまりブリーディングの知識がなかった人でも無理なく進められるようになっています。さらに分からない事が合った場合でも、専門スタッフに質疑応答無制限でアドバイスを求めることもできるので、つまづかずに最後まで学習できます。
ちなみにこの講座は2つのコースに分かれています。通常講座とスペシャル講座です。違いは試験の有無です。通常講座の場合は学習を終えた後に試験を受けて合格すれば無事に資格取得となりますが、スペシャル講座の場合は試験が免除されます。
その代わりに卒業課題を提出することになりますが、100%合格可能のため、確実性の高さからいくとスペシャル講座がオススメになります。
試験が苦手な人や、一発で確実に取得したい人はスペシャル講座を選ぶと良いでしょう。カリキュラムなどの詳細な点については公式サイトに詳しく載せられているので、まずはアクセスして調べてみましょう。
また資料請求ができるので、まずは内容を調べてみて、気にいったら受講してみましょう。
ちなみに諒設計の講座に似たものとしてSARAという通信スクールの「ブリーダー基本コース/プラチナコース」という講座もあります。こちらも同料金でWで資格取得の道が開ける他、料金的にも変わりないのでやはりオススメです。
ブリーダーはどれくらい稼げる?
ブリーダーという職業は、収入に関してピンキリな職業です。いわゆるトップブリーダーと呼ばれる人たちはかなりの収入を得ています。一流のブリーダーであれば1千万円ほど稼ぐこともできるかもしれませんが、一般的には二百万円から五百万円くらいが相場と見ておくと良いでしょう。
これは会社に就職した場合のケースです。個人で開業する場合は取引先の数や事業規模にも大きく影響してくるでしょう。ブリーダーは平均年収としては特段高い職というわけではありません。
むしろ場合によって賃金が安めになることもある職業です。しかし動物が好きで、その癒し効果に魅せられた人からすれば、年収は二の次の話かもしれません。
いずれにしてもブリーダーは企業勤めか個人営業かによって収入が変わってきます。安定性から言うと企業勤めが良いかもしれませんが、個人営業の場合はブリーディングに加えて総合的なサービスや付加価値をつけて営業ができるというメリットがあります。
例えば動物関連事業としては、トリマーや販売業、ペットホテル、カフェ、ドッグランなど様々なものがあります。可能ならこれらのサービスを同時に行う事でサービスが多角化でき、収入アップにつながることも期待できます。
ブリーダーとして気をつけること
ブリーダーとして一番重要な事はなんでしょうか。それは命を大切にすることです。月並みに聞こえるかもしれませんが、これはきわめて重要です。
繁殖や品種改良など命のやり取りに関わる仕事をする場合に、モラルは欠かせません。さきほど少し触れましたが、悪徳業者の中には遺伝的な疾患や母体の安全など意に介さない業者もいます。
衛生面などにも気を遣わずに、情緒不安定な状態にペットを追いやるような業者もいます。そういう業者がはびこっていれば、消費者が安心して好みの種類の動物を手にする事ができません。動物も大切な命であり、責任感を持って業務に臨まないといけません。
誠実にブリーディングをする人なら、生まれてくる動物や育てられた動物は身体的にも健康で、情緒という意味でも健全になる可能性が高いです。
そのようなまっとうな業務をすることで、ペットショップであれ、個人取引であれ、信頼されるようになるでしょう。日本における犬と猫という2種類の人気のペットは、飼育頭数が約二千万頭にもなります。
ペットが家庭や社会で活躍する場が増えてきているので、ブリーディングに携わる人もいっそうの使命感をもって働く事が求められます。
ブリーダー資格で信頼を得よう
何度も言っていますが、ブリーダーになるのに絶対必要な資格はありません。しかし資格は、持っているノウハウやスキルを他の人が認識できる証明となります。
ブリーダーから犬や猫を購入する場合に、資格を掲げている人と掲げていない人では、やはり有資格者の方が信頼感があります。そのため、可能な限り資格に挑戦しておくのは良い事です。先述した2つの資格についてもう少し説明しておきましょう。
日本生活環境支援協会(JLESA)主催の「犬・猫ペットブリーダー」ですが、この資格は家庭の犬や猫の繁殖および改良について基礎的な知識があることを認定する資格です。
またブリーダー開業を目指す人にとって必要な設計や設備、開業費用、経費や収入、宣伝方法、作業内容、健康管理、交配方法、ペットショップや個人顧客との取引、流行種の繁殖など、ブリーダー関連の様々なノウハウを有していることが証明されます。
ブリーダーを開業しなくても、資格を活かして自宅やカルチャースクールで講師活動をしたりすることも可能です。
もう一つの日本インストラクター協会(JIA)主催の「ペット繁殖インストラクター」ですが、こちらは犬や猫の種類別の繁殖方法に関する知識を有している事を証明する資格です。
雌雄の飼育割合や出産可能期間、核犬種の繁殖の注意点、劣性遺伝種繁殖の注意点など幅広い知識を有している人に認定されます。
こちらも自宅やカルチャースクールでの講師活動をサポートする資格となります。人気のブリーダーになるにはもちろん資格を持っているだけではダメですが、まずは資格を掲げ、学習を続け、経験を増やし、誠実で思いやりのある動物管理をしていくことによって、信頼を得られるようになるでしょう。
通信講座も利用しながら、体系的な知識を身に着け、ブリーディング業で活躍することを目指してみましょう。